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Posted by 滋賀咲くブログ at

名前だけの取締役

2009年11月17日

 現在の会社法が施行される前、つまり商法の時代の株式会社には取締役が最低3名必要という縛りがありました。それで、中小企業の場合、たいていはオーナー社長の親族から取締役を選び員数合わせをしていました。しかし、オーナー社長の親族ではないが良く仕事が出来る従業員の中から取締役を選んでいた会社も、まれにありました。

 ところが、ここに思わぬ落とし穴が。その従業員兼取締役(この表現は一般的ではないですが、とりあえず、こう呼びます。)が住宅ローンなどを借りようとした場合に金融機関から、取締役になっているというだけで、自身の収入を証明する資料以外に当該会社の決算書類の提出を要求されるのです。

 取締役会や株主総会など開かれたことがないような会社の場合、取締役とはいえ本来は従業員の立場である人が会社の財務資料を手に入れるのは容易でない場合が多いのです。社長に住宅ローンの借り入れのためとして3期分の決算書類を出して欲しいと頼むこと自体が憚られるということです。

 金融機関に事情を話して決算書類の提出が困難であることを説明しても金融機関はまず納得しません。さてなぜ、単なる名目上の取締役に金融機関は会社の決算書を要求するのでしょうか?それは、取締役には会社の運営に関して法的な責任があることになっているからです。

 中小企業の場合、商法の縛りのため名目上の取締役の存在が当たり前になっていた現実をふまえ、取締役としての責任を問われることは、これまで皆無に近かったと思いますが、現行の会社法になってからは株式会社といえども取締役が一人でも良くなったこともありますので、これまで行きがかり上から権限もなく単に名目上の取締役になっているような人には、即刻、辞任することをお勧めしています。

 もちろん、オーナー側から考えても意味もなく親族以外の人を安易に取締役にすることは経営戦略上から好ましいことではないでしょうから、今、就任している名目上の取締役には、外れてもらうことを検討すべきですね。ただし、事情を良く説明しないで、いきなり解任したり辞任を強制することは当人の誤解を招きかねませんので、そういうことをするべきでないことは言うまでもありません。
  


Posted by 開設者 at 22:12Comments(0)