譲渡所得税

2012年12月05日

 今年も、相続不動産の処分のお手伝いを何件かさせていただきました。

 そのうちのひとつですが、おじさんの不動産を相続したケースです。相続登記をしたのも処分したのも、今年です。先日、その相続人さんから来年、申告することになる譲渡所得税の件で、お尋ねのお電話がありました。

 いちおう、前にもお話ししていたんですが、再確認ということで、譲渡所得の税率の問題です。

 土地や建物を売ったときの譲渡所得に対する税金は、事業所得や給与所得などの所得と分離(分離課税)して、計算することになっています。

 そして、土地や建物を売ったときの譲渡所得は、次のとおり所有期間によって長期譲渡所得と短期譲渡所得の二つに区分し、税金の計算も別々に行います。

 
 A) 長期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものをいいます。
 B) 短期譲渡所得とは譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のものをいいます。

 譲渡所得金額×税率が、払う税金です。

 税率は、国税と地方税と合わせて、A)が20%、B)が39%です。

 つまり、長期と短期では倍ほど税金が違うということですね。

 そして、今回のお尋ねは、相続して所有してから譲渡するまで5年も経たないから、短期になるんじゃないの?ということです。

 確かに、「所有期間」とは、土地や建物の取得の日から引き続き所有していた期間をいいます。しかし、相続や贈与により取得したものは、原則として、被相続人や贈与者の取得した日から計算することになっています。

 おじさんが当該不動産を取得したのは遥か30数年前でしたから、相続人が相続してから5年経たなくとも、今回は長期譲渡所得に該当します。

 それはさておき、不動産を売った場合に、譲渡所得税以外に注意が必要なのが国民健康保険や介護保険などの保険料です。所得によって保険料が変わるこれらの保険料に譲渡所得も関わってきます。

 それぞれ、控除や優遇措置が違うので、かなり、ややこしいですから注意が必要です。 

 


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