担保提供者にワナ

2009年10月08日

 最近、相談があった住宅ローンがらみの多重債務で、当初、破産でという方向で話し合っていたところ、住宅ローンに兄弟の連帯保証が入っていたことが判明。兄弟に迷惑はかけたくない心情から住宅ローン特則付きの個人再生に進むことになりました。弁護士に引き継いだところですが、それにしても、明らかな担保不足、年収に対する返済割合も高い。初めから金融機関は保証人の資力を当てにしていたのではないかと思える事例でした。

 さらに聞けば連帯保証人の兄弟さんはサラリーマンで住宅ローンの返済がかなり進んだ持ち家があるとのこと。主債務者が破たんしたおりには、必ず保証人の不動産が回収の標的になります。個人再生で一旦凌いでも二次破たんの可能性が十分あるので、今のうちに兄弟さんは対策を立てる必要があるケースです。

 別件、離婚後の住宅ローンの相談。配偶者と連帯債務の住宅ローンに加えて配偶者の親(姑)も単独債務者でローンを組んで購入した住宅でした。持分は夫婦と姑の3人が均等で各自3分の1づつ。夫婦は離婚が成立、ローンは配偶者と姑が払っていくことで合意し、相談者は家を出ました。そこで返済の取り決めと将来、ローン完済時の財産分与での名義変更を契約書にして、まとめようという相談です。

 さて、連帯債務者としてのリスクを負うのは致し方ないですが、姑の単独債務のローンは姑に払ってもらうのは当然でも姑が破たんしたときはどうなるか?土地建物に共有持分があるから担保提供者であることは間違いないところ。金融機関は持分にだけ抵当権を設定するようなことは絶対しません。万いつ、抵当権にもとづき競売するときに持ち分だけじゃ、まともに買う人はいませんから。

 担保提供者、別名で物上保証人といいますが、本来の意味での物上保証人は主債務者が破たんしたおり担保物件を取り上げられるだけを覚悟すれば済むものなのだと、民法の学習で教えられますが、実社会ではそうではありません。なぜなら、住宅ローンの契約書の担保提供者の欄には小さい字で「担保提供者兼連帯保証人」と、たいてい印刷されているのです。

 つまり、物を失うだけでなく、主債務者の債務全体を連帯保証させられているのです、ほとんど知らぬ間に。このことを住宅ローンの契約のおりに説明を受けて署名押印した物上保証人は皆無ではないでしょうか、実際。やれ、消費者保護だ、告知義務だ、重要事項の説明だと、やかましい世の中になってきましたが、人生を左右する大借金の契約現場でこのあたりが全く説明されないことから起こる悲劇は数知れません。

 根来行政書士事務所では住宅ローンの返済にまつわるご相談をお受けしています。詳しくは、こちらをご覧ください。

 



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